くぼゆうじの雑談

日々の備考録

日本よ反撃能力を持て!

8月にJアラートがなり日本の上空(領空ではない)を北朝鮮のミサイルが通過した。まだ記憶に新しいが、筆者も含めて多くの人がどうすればよいのかわからなかった。日米同盟というとき、米国が攻撃、日本が防御という役割が簡単に想起できる。ただ安全保障というのは常に最悪の事態を想定して準備しておかなければならない。そう、映画「シン・ゴジラ」のように、今の日本が最も直面したくない現実をである。

10月2日付けの読売新聞朝刊に北岡伸一先生の論考が掲載された。こちらを下敷きにしながら私なりの見解を述べていこう。

まず、北岡先生の主張を簡単にまとめると以下のようになる。
敵から攻撃された時(これは国際法上、実際に攻撃があった場合と急迫不正の攻撃に対してもである)に限り、日米の親密な協議に基づき通常兵器で反撃する能力くらいは持つべきである。
理由として、

1.ミサイル防衛だけでは全ての防御ができない(ミサイルを撃ち落とせない)
2.日本の領海・領土に北朝鮮のミサイルが落ち犠牲者が出なければ米軍は攻撃しない

3.少数の犠牲者が出ても、米軍は大規模な反撃はしない。

結論として、米国と親密な関係を築き信用しているが自国の防衛を米国にここまで依存してよいのか、又、現在の日米関係において米国に攻撃・反撃を要請するだけの発言権は日本には事実上ない。

 

筆者も概ねこの北岡論考に賛成である。最大の防御は抑止力である。つまり相手に攻撃させないことだ。そのためにも日本には攻撃意志があり、そのための法的・制度的枠組みがあり、実際に実行できると相手に思わせなければならない。
守るために鉾を持つのである。これは専守防衛と全く矛盾しない。

実は日本は憲法解釈上、攻撃能力を有する軍備がない。(ことになっている)
必要ないという人もいても構わない。
対話と圧力の外交も大切である。

しかし、北朝鮮が対話したい相手は米国であり現状の日本が外交で何か事態を変化させることはほぼ出来ない。自国を防衛しかつこの東アジアのパワーゲームから置き去りにならないためには、米国と協議しつつ反撃能力を持つことが必要である。

北朝鮮危機を契機に米国との核シェアリングを進めても良い。中長期的な戦略として、対象国は中国、ロシアとの軍事バランスであり均衡である。

上記の内容はもちろん、ロシア、中国、北朝鮮、韓国、そして日本について、宣伝で恐縮だが、リサーチを行いラジオDJバロン西田さんとの対談で4時間かなり深くお話させて頂いた。○○ながらで構わないので聞いて頂けると光栄である。

baron.booth.pm

最後にクラウセヴィッツの言葉を筆者なりにアレンジすれば、

「守るために攻めよ」である。つまり、絶対に防衛のためだけの戦争はない。