くぼゆうじの雑談

日々の備考録

正義の危うさ -解散総選挙への道1-

9月28日午後、安倍首相の意向を受け、衆議院が解散された。「国難」の時といわれるように、北朝鮮有事の危機、消費税のUP、憲法改正・・・と大きな戦後課題が目白押しである。政局を巡っては、東京都知事に選ばれ、「都民ファーストの会」で東京都議選で圧勝した立役者、小池百合子知事が中心人物として注目を日々集めている。この解散総選挙では「希望の党」を結成し、自ら党首となり民進党と親密な選挙協力をすすめるなど日々めまぐるしい展開の連続である。
これほどまでに注目を集める小池知事の政治手法とはいかなるものであろうか。

筆者が率直に感じたことを言えば、三浦瑠璃さんのエントリ

虚無感の内実ー衆院選を前にした日本政治の激動 - 山猫日記

で述べられている「虚無」をこえて「恐怖」すら覚えている。以下、フェイスブックに書いたことを多少修正しつつもそのまま記載する。

小池百合子さんの危ない所は、私の言うとおりにすれば万事OKだと疑いもなく思っていることだ。リーダーとは苦しみ悩みそれでも判断し前に進む人のこと。自分の自分のよる自分のための小池ファーストの政治は、国民主権でもデモクラシーでもない。反対する人もいる、より良い考えがさらにある、そういうことを認識した上でまとめ(妥協し)、可能性の芸術を追求するのが政治である。あれほど、橋下前大阪市長ハシズムだの独裁だの叩いていたメディアが小池さんを独裁や裸の女王様と叩かないのは何故か。例え仲良くしても、きっちり批評するというのが識者なりメディアのスタンスで重要なことではないだろうか。理念や理想や正義や意地も大切だろうけど、それで生命や財産が守られるわけではない。やっぱり、大切なのはバランスであり柔軟さではないか。一定の考えに固執するばかりに、他を切り捨てていく正義はかえって危ない。 

 自公との対立軸を明確にするために、護憲派をバッサリと切り捨てていくのだろう。
選挙前か選挙後になるかは難しいがすでに事実上解党に向けて転げ落ちる民進党は正式に消えてなくなるのだろう。

やまもといちろうさんの記事

「民進党のラストエンペラー」前原誠司の孤独な戦い

のように、民進党の最後の党首、そうラストエンペラーとなってしまうだろう。
余談だが学生時代、筆者は大学に講演にこられた前原代表にお会いしている。そのときの印象は熱く目を輝かせて日本の希望を語っていた。あれから20年近く経ち、希望を胸にされて沈み行くとは思ってもみなかった。

今後、希望難民ご一行様方は、維新との連携模索に入るのだろう。
選挙がどうなるのかは判断が難しくなった。ただ言えることは自公圧勝ではなく、接戦になりそうな気配だ。

どちらがどこが政権政党になっても、その国会で改憲が行われても決して望まれた形ではない。手段を選ばず選挙に勝って改憲することより、キレイごとと言われようが、手段を選んで選挙に勝って改憲する、それがもし改憲された際の新憲法の正統性(正当性)の根幹ではないか。
筆者は昔から改憲派であり、今もそうである。それでも、ただただ「やるせなさ」を覚える。

 9月30日ー追記 妖精帝国 「Rebellion anthem」の歌詞引用

人は諭す
虚飾の笑み擬装の瞳で
調律の世界は
思想を置き去るだろう

人は諭す
調和と秩序の重きを
異端は排されて
思想は消え去るだろう